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地域の魅力発信アプリを開発して、商店街を盛り上げよう!

地域住民に地域の魅力を効果的にPRするプログラムを製作することを通して、自分の住むまちに愛着をもち、まちの人・もの・ことに豊かにかかわろうとする態度を育てる。

学習活動の概要

単元や題材などの目標

地域で働く人やそこを利用する人に取材・見学したことをもとに、地域住民に地域の魅力を効果的にPRするプログラムを製作することを通して、プログラミングのよさを感じたり地域を支える人々の願いや考え方のよさに気付いたりして、自分の住むまちに愛着をもち、まちの人・もの・ことに豊かに関わろうとする態度を育てる。

単元や題材などの学習内容

探求課題:地域社会の発展や諸課題の解決に向けて活動する人々の願いや思い、取組と、社会参画する意義

  • 知識・技能
    • 生活の中で使う電化製品の中にはプログラミングが活用されていることや、自分たちの生活を豊かにしていることに気付く。
    • 地域の発展のために、地域のつながりをつくったり催しを企画したりする人がまちにいて、まちのよりよい未来に向けて努力を続けていることが分かる。
    • 自分たちのプログラミングしたコンピュータによって地域のよさを地域住民と共有でき、まちの人の喜びを生み出すことができることに気付く。
  • 思考力・判断力・表現力等
    • 伝えるべきまちの魅力について取材、見学、体験など自分らしい発想を生かした様々な方法で情報収集する。
    • 地域住民にとってどのような情報が一番必要か、それをどのように表現するかという問題に対して、まちの人や専門家の助言をもとに視点を明確にして整理・分析し、質を高める。
    • 魅力が伝わる動画や文章になるように、地域の方の思いを受け止めたり、自分の思いを自分らしく表現したりする。
  • 学びに向かう力、人間性等
    • 自分の表現したいことを動画や文章で表現する楽しさ、そこでまちの人とふれあう喜びを感じ取り、よりよい地域紹介プログラムを作るために追究する。
    • 伝えたいまちの魅力を具体的な意味にしながら目標を明確に立て、自分のやりたいことに向かって活動し続けようとする。
    • 自分や仲間の表現のよさや得意なことを生かし合って活動に向かい、地域の中で自分にできることを見つけて、地域の他者と豊かに関わっていこうとする。
総合的な学習の時間の学習とプログラミング体験との関連

 小学校学習指導要領『総合的な学習の時間編』第4章第2節(9)には、「第1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考を身に付けるための学習活動を行う場合には、プログラミングを体験することが、探究的な学習の過程に適切に位置付くようにすること」とある。探究とは、物事の本質を探って見極めようとする一連の知的営みのことである(同第2章第2節(1))。従って、事象との出会いによって子どもの現在の見方や問題意識が揺さぶられ、より強い「〜したい」といった願いや目的、「〜だろうか」といった問いなどの内発的動機づけが起こることが探究的な学習が始まるきっかけとなる。

 本単元では、「課題の設定」において、住み慣れている地域に改めて着目し、まちの商店街を盛り上げようと活動している方や役所の方などから話を聞いたり、地域散策をしたりして、「地域の人が意外と地域の商店街を利用していないのは、あまり地域のことを知らないからだ」という現状分析を行う。一方でスマートフォンやタブレットなどの身近なコンピュータが暮らしを豊かにしている事例を知ったり、それは人間がプログラミングすることによって動かすことができるものだということに気付いたりする。そこで、プログラミングによって店や場所ごとの魅力が分かるものが作れたら、地域のことを知らない人に、より関心を持ってもらえるのではないか、という「課題の設定」を行う。

「整理・分析」においては、子どもが意図した情報発信の方法について、写真や説明文などの動きをどのように組み合わせると効果的な表現になるか試行錯誤する活動が考えられる。その中では、意図した動きの手順を一つ一つの命令に分解する必要があることや、それらを効率的に順序立てていくことで表現されることなどを理解することができる。また、プログラムは人間が機械に動きを与えたものであり、それらが私たちの生活を豊かにするために様々な形で活用されていることも感じることができる。

「まとめ・表現」においては、子どもが作った魅力発信プログラムを実際にまちの人に使ってもらうことで率直な評価をもらい、何が原因でうまくいかないのかを把握する。また、よかった点を伝えてもらうことによって、地域の魅力を、プログラミングを活用することでより効果的に発信することができることが分かる。

このように探究的に学習することを通して、自分たちの生活に身近にあるプログラミングのよさや人間の営みの価値に気付き、自分の現在や将来の生き方につなげて考える学習の展開が期待できる。

企業の協力内容
ビデオ教材の提供
  • スマホが私たちの生活にもたらしたものについて、その場にいなくてもその場のよさが知れたり、それをきっかけに特定の人・モノ・場所の知名度が上がったり、人の行動が変わったりした実例
  • 株式会社ディー・エヌ・エーがどのようなことを目指しているのか
  • 開発者の方が、どのような思いで新しいことをやろうとしているのか

学習指導計画例(総時数:35時間)

地域の魅力発信アプリを開発して、商店街を盛り上げよう!
【課題の設定】(10時間)
  • 自分たちの住むまちにはどのような特徴があるのだろう(4時間)
    • 今住んでいるまちにはどのような特徴があるか、これまでの学習経験や生活経験から想起し、その中から、問題だと思うことやおもしろいと思うことについて話し合う。
    • 地域振興に携わる方を招き、今のまちの状況やそのような方達の取組の様子などについて話を伺ったり、質問したりすることで、ここ数年で地域には高齢者が多くなり、そのような方々があまり出歩かなくなったことや、家庭をもつ世代の人たちがスーパーを利用することが多く、商店街にある個人商店を利用することが少ない事実に出会う。
    • 地域に出て、まちにいる方の実態についてインタビューを行う。
    • インタビューしてわかったことをもとに、地域の魅力や問題点を整理する。
    このまちを盛り上げようとする(地域の)人がいるのはいいところだな。けれど、地域の中にはあまり地域のことを知らない人もいるみたいだ。
  • 留意点
    • 子どもが、商店街組合、区役所の地域振興課、NPO等、地域に関わる方から話を聞いたり質問したりする中で、まちのよさ、課題が浮き彫りになるようにするために、事前に担任が打ち合わせを行っておく。
    • 地域の方からのインタビューについては、ワークシートなどを用いて質問事項や分かったことなどを視覚化して整理することで、事実を捉えやすくするとともにインタビューの質を上げることも少ない時間で探究の質を上げる大切な要素である。
  • まちのためにどんなことができるか、仮説をたてる(4時間)
    • まちの魅力をおもしろく、できるだけ多くの地域の人に伝えるにはどんな方法があるかを考える。
    株式会社ディー・エヌ・エー製作のビデオを視聴し、モバイルデバイス(スマートフォン、タブレット)がどのように世界を変えたのか、モバイルデバイスで動くアプリを開発するとどんなことができるのか学ぶ
    • スマホが私たちの生活にもたらしたものについて、その場にいなくてもその場のよさが知れたり、それをきっかけに特定の人・モノ・場所の知名度が上がったり、人の行動が変わったりした実例
    • 株式会社ディー・エヌ・エーがどのようなことを目指しているのか
    • 開発者の方が、どのような思いで新しいことをやろうとしているのか
    • ビデオを視聴して、学んだことや分かったことについて、話し合う。
    • 地域のよさについてタブレットを使って紹介したり、それがきっかけで地域の人の行動が変わり、商店街をもっと利用するようになったりするのではないかと仮説を立てる。
    • 活動の方向性を決定し、単元のゴールを設定する。
  • 「プログラミングゼミ」を利用した、タブレット上で動くアプリ開発を体験して、自分達でどんなことができそうなのか、考えをふくらませる。(2時間)
    自分たちも親もよく使うスマホやタブレットでまちの魅力が発信できたら、親と一緒に商店街に買い物にも行けるし、「久しぶりに来てみたよ」ってお年寄りの方が外出するきっかけになるといいな。商店街の人も喜んでくれそうだ。
【情報の収集】(5時間)
  • 発信したいまちのよさは、どんなものがあるのだろうか
    • 地域の商店街の中で紹介したいところを探すために、「食べ物がおいしい」「歴史がある」「自然が豊か」などのテーマごとにグループを構成し取材する計画を立てる。
    • 取材活動に出かける。
    • 取材から分かったことを分類整理し、何をどのように伝えるかを話し合う。
    • 足りない情報をつかむために、テーマグループごとに再取材を行う。
    • 取材して分かったことを追加していき、伝えたい内容を決める。
    〇〇屋さんにはこだわりの商品があることや、店主が仕入れ、仕込み、商品開発まですごくがんばっているということを伝えたい。なじみのお客さんがいて、とても仲がいいということも伝えたら、安心して来たくなるかな。
  • 留意点
    • 取材は見通しをもって行えるように支援する。誰に、どんなことを聞けば、おおよそどのような回答が得られそうかを事前に考える時間を設定する。さらに、想定問答をフローチャート式で整理することで、取材が浅いもので終わらず、より突っ込んでできるようになる。
    • 取材結果をまとめる際は、「こだわりや工夫の詰まった商品とそのポイント」「店主の努力が表れている場面」「店主の願い」「客とのやりとりの様子」「客の声」など、発信したい魅力が明確になるようにする。それがプログラミング体験で製作するコンテンツにもつながる。
【整理・分析】 (10時間)
  • まちの魅力を発信できるアプリを開発しよう!
    • 魅力発信アプリの可能性について話し合う。
    • アプリを使った場合、どのような使われ方をしてもらい、どのような効果を期待したいのかについて、話し合う。
    • 「プログラミングゼミ」を活用し、タブレット上でプログラミングし、アプリ製作を進める。
    • アプリに入れ込みたい画像や映像資料を、地域に出て撮影する。
    • アプリ製作を進める。
    • できあがったアプリをお互いに使ってみて、どんな問題点や改善点があるかを話し合う。
    • さらにアプリの改良を進める。
    株式会社ディー・エヌ・エーの方に教えてもらって、プログラミングができた。普段私たちの生活にプログラミングが生かされていることで、生活が豊かになっていることが分かった。このアプリをまちの人にも使ってもらったら、本当にまちのよさが伝わるかな。
  • 留意点
    • この活動の段階では、専門家との関わりが重要である。子どもにとって必要感のある探究活動を繰り返す中で、プログラミングが社会にどのように生かされているのか、またそれを製作する方々が社会にどのように貢献しようとしているのかについて触れられるようにする。
プログラミング体験
目的

「プログラミングゼミ」を活用し、タブレット上でプログラミングし、アプリ製作を進める。

実施内容
  • アプリに入れ込みたい画像や映像資料を、地域に出て撮影する。
  • アプリ製作を進める。
  • できあがったアプリをお互いに使ってみて、どんな問題点や改善点があるかを話し合う。
  • さらにアプリの改良を進める。
プログラミングゼミを活用して、地域の魅力発信アプリを開発する。
【まとめ・表現】(10時間)
  • 地域の人に、まちの魅力を実感してもらおう
    • 各チームに分かれ、アプリを用いたまち案内を行うために、活動場所や日にち、時間などの計画を立てたり、チーム内で分担を行ったりする。
    • タブレットを用いて、第1回のまち案内を行う。
    • 第1回のまち案内では、実際に客が店に入って店員と会話したり、その結果購買につながったりしたかを店の方にインタビューする。
    • 活動の成果と課題を分析する。
    • 説明の仕方、案内場所などの改善点を踏まえて、第2回のまち案内の計画を立てる。
    • 第2回まち案内を行う。
    • 活動の振り返りを行う。
    まちの人が「すごいね。」と言ってくれて嬉しかった。「まちのことが少し分かった。」と言ってくれたので、自分たちの活動が役に立って嬉しい。まちのことを調べたりまちの人とたくさん関わったりして、このまちがさらに好きになったよ。これからもまちに関わりたいな。
  • 留意点
    • 子どもが手応えを十分に感じ取れる時間の確保、活動の確保を心がけたい。活動の目的である「地域の人が地域のよさを感じる」ことを達成した充実感を得る中で、自分たちもまちへの愛着が高まったことを自覚化させたり、探究の学びのよさや楽しさを実感させたりする。

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